
古文の品詞分解のやり方:5ステップと例文で見分け方を解説
結論:古文の品詞分解は「形」と「接続」から決める
古文では、同じ「に」「なり」「ぬ」「し」でも、前後の語によって品詞や意味が変わります。見た目だけで決めず、直前の語の活用形、直後に続く語、文中での働きを照合することが重要です。語の意味は大切ですが、意味だけで先に決めると、助詞と助動詞、動詞と助動詞を取り違えやすくなります。
古文を現代語へ言い換えることが目的なら、品詞分解の後に古文現代語訳の手順を使います。現代文を古文調に変えたい場合は古文変換ツールが対象であり、品詞分解とは作業の向きが異なります。
古文の品詞分解で書く項目
学校の課題では、単に「動詞」「助動詞」と書くだけでなく、活用や意味まで求められることがあります。設問の指定が最優先ですが、次の項目を一つの型として覚えておくと、抜けを防げます。
| 語の種類 | 確認する項目 | 記入例 |
|---|---|---|
| 名詞・副詞・連体詞など | 品詞名と文中での働き | 昔:名詞 |
| 動詞 | 基本形、活用の種類、活用形 | あり:ラ行変格活用・連用形 |
| 形容詞・形容動詞 | 基本形、活用の種類、活用形 | をかし:シク活用・終止形 |
| 助動詞 | 基本形、意味、接続、活用形 | けり:過去の助動詞「けり」・終止形 |
| 助詞 | 助詞の種類と働き | は:係助詞 |
古文の品詞は、動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞の10種類に整理されます。ただし、10種類を暗記するだけでは文章を分けられません。自立語か付属語か、活用するか、文中でどのように働くかを組み合わせて判断します。

古文を品詞分解する5ステップ
1. 句読点に頼らず単語へ区切る
まず、意味のまとまりではなく単語の境目にスラッシュを入れます。古文は現代文と同じように語と語の間へ空白がないため、用言の語尾、助動詞、助詞を別の語として見抜く必要があります。「ありけり」なら「あり/けり」、「思ひける」なら「思ひ/ける」のように分けます。
2. 動詞・形容詞・形容動詞を先に探す
活用する自立語を先に確定すると、その後ろにつく助動詞の候補を絞れます。終止形を想定し、動詞なら活用の種類も確認します。語尾だけで決めず、古語辞典の見出し語と照合してください。
3. 助動詞は直前の活用形から候補を絞る
助動詞には接続の決まりがあります。たとえば「けり」は連用形に接続するため、「あり/けり」の「あり」は連用形だと確認できます。候補が複数ある時は、接続、活用形、文脈上の意味の三つがすべて合うものを選びます。
4. 助詞と活用しない自立語を決める
付属語で活用しないものを助詞として確認し、残った語を名詞、副詞、連体詞、接続詞、感動詞へ分類します。「の」「に」「と」は複数の用法があるため、前後の語との関係まで見ます。
5. 全体を訳し、判定に矛盾がないか戻って確認する
最後に現代語訳を作り、主語・述語の関係や時制が自然かを確認します。訳が不自然なら、単語の区切りや助動詞の意味を再検討します。品詞分解と訳は別の作業ですが、最終的には互いを検算する関係です。
例文:「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり」
『竹取物語』冒頭の一文を、次のように区切ります。
| 語 | 品詞 | 活用・補足 | 文中の意味 |
|---|---|---|---|
| 今 | 名詞 | 活用なし | 今となっては |
| は | 係助詞 | 話題を示す | 〜は |
| 昔 | 名詞 | 活用なし | 昔 |
| 竹取 | 名詞 | 職業・呼び名 | 竹を取る人 |
| の | 格助詞 | 連体修飾を作る | 〜の |
| 翁 | 名詞 | 活用なし | 老人 |
| と | 格助詞 | 引用の内容を示す | 〜と |
| いふ | 動詞 | ハ行四段活用・連体形 | いう |
| 者 | 名詞 | 活用なし | 人 |
| あり | 動詞 | ラ行変格活用・連用形 | いる |
| けり | 助動詞 | 過去・終止形、連用形接続 | 〜た |
現代語訳:今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいた。
この例では、「けり」が連用形に接続することから「あり」が連用形だと確かめられます。また「いふ」は後ろの名詞「者」を修飾しているため連体形です。訳だけを先に覚えるのではなく、形と接続から説明できるようにするのが品詞分解の目的です。
迷いやすい語の見分け方
| 語 | 主な候補 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| に | 格助詞・接続助詞・助動詞「なり」の連用形など | 直前が体言か、後ろに用言が続くか、断定の意味が通るか |
| なり | 断定・伝聞推定の助動詞、動詞「なる」 | 接続する語の形と、「〜である」「音がする・そうだ」「なる」のどれが自然か |
| ぬ | 完了の助動詞「ぬ」、打消の助動詞「ず」の連体形 | 直前が連用形なら完了、未然形なら打消という接続をまず確認 |
| し | 過去の助動詞「き」の連体形、形容詞の語尾、副助詞など | 直前の語と後続する名詞、文全体の時制を確認 |
識別問題では、候補を一つだけ思い出すのではなく、候補を並べて不可能なものを接続で消します。接続で二つ残った時に、文脈上の意味や係り受けを使うと、根拠のある答案になります。
古文の品詞分解サイトはどう使う?
国立国語研究所が公開するWeb茶まめでは、入力した文章を単語に分け、読みや品詞、活用形などを付ける形態素解析を利用できます。古い時代や文体に合わせた辞書が整備され、古文を機械処理する研究にも使われています。
ただし、自動解析の表示をそのまま学校の答案に写すのは避けましょう。原文の異同、辞書の種類、固有名詞、複数の解釈がある助詞・助動詞によって結果が変わるためです。次の順番なら、無料サイトを「答え」ではなく「確認候補」として使えます。
- 教科書どおりの原文を入力する。
- 時代・文体に近い辞書を選ぶ。
- 語の区切りと基本形を確認する。
- 助動詞の接続と意味を授業用の文法表で照合する。
- 最後に全文を訳し、文脈と合わない解析を修正する。
品詞分解を身につける練習法
短い一文を「区切り・説明・訳」の3段で解く
最初から長文に取り組むと、区切りのミスと文法のミスを区別できません。教科書の短い一文を選び、1行目にスラッシュ、2行目に品詞と活用、3行目に現代語訳を書く練習を繰り返します。答え合わせでは正誤だけでなく、どの接続を見落としたかを記録します。
助動詞は「意味」より先に接続を声に出す
助動詞カードを作るなら、表に助動詞、裏に接続・活用・主な意味を書きます。「未然形接続」「連用形接続」のように形から答える練習を混ぜると、本文中で候補を絞る速度が上がります。
間違いを4種類に分ける
- 区切りミス:一語を二つに分けた、または助動詞を前の語につけた。
- 活用ミス:基本形や活用の種類を取り違えた。
- 接続ミス:直前の活用形と合わない助動詞を選んだ。
- 意味ミス:文法は合うが文脈に合わない意味を選んだ。
間違いの種類が分かれば、古語単語、活用表、助動詞、読解のどこへ戻るべきか判断できます。古文の表記でつまずく場合は、先に歴史的仮名遣いのルールを確認すると、基本形を辞書で探しやすくなります。
よくある失敗
- 現代語の感覚だけで切る:古語の活用語尾や助動詞を一語にまとめてしまいます。
- 意味が通る候補を即決する:接続に合わない助動詞でも訳だけは通る場合があります。
- すべての語へ細かな説明を書きすぎる:設問が求める範囲を確認し、必要な活用・意味を優先します。
- 自動解析を無確認で使う:辞書と本文の時代が合わないと、現代語として解析されることがあります。
- 品詞分解だけで読解が終わったと思う:主語の省略、敬語、指示語、場面の変化は別に確認が必要です。
まとめ
古文の品詞分解は、単語の区切りを決め、用言の活用、助動詞の接続、助詞の働き、文脈上の意味を順番に確認する作業です。迷う語ほど、見た目や訳の印象ではなく、前後の形から候補を絞ります。
まず短い例文をスラッシュで区切り、品詞と活用を書き、最後に現代語訳で検算してください。無料の品詞分解サイトは候補確認に役立ちますが、教科書・古語辞典・助動詞の接続表との照合まで行うことで、初見の文章にも使える力になります。
よくある質問
参考資料
- 国立国語研究所「いろいろな古文の自動品詞分解」:古文用辞書と形態素解析の考え方を確認できます。
- 国立国語研究所 Web茶まめ:歴史的な日本語を含む形態素解析の公開サービスです。
- ベネッセ教育情報「古文の品詞名」:品詞分類の基本と見分け方を確認できます。
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